読書の冬
先日、久々に本を買いました。
読書欲が湧いた、というよりは、読書欲が湧く本を見つけた!のです。
先ずは一冊目⤵
このデカ文字のタイトルだけで心小躍りです。
直ぐに手に取り、よく見入ると、その横に小さめの文字で「文豪たちの」とあり、表紙に散りばめられた、文豪と呼ばれるお歴々のお写真が。何、中身なんて読まなくても、面白いに違いない!と、確信したでしょう。
-----ここからネタバレ--------------------------------
案の定、ページを開くといきなり太宰さんのお手紙。あの有名な『川端康成へ』(呼び捨てw)。ふつふつきます。
実のところ、きちんと読んだことがなかったので、今回この本をきっかけに、がっつり読めて良かったです。案外、太宰さん冷静でした。もっと狂気めいた文章かと思っていたから、ちょっと拍子抜け。何ならちょっと可愛いくらいに「刺す。」と。
これ、句点で区切っているのが、後にここだけ一人歩きしてしまっている原因なんだと思うんですけど、ここにちょっとだけ本音をいれたかったんでしょうね、どうしても。「刺す、そうも思った。」と「刺す。そうも思った。」じゃ、全然印象が違います。太宰さん流石!
一般的に、この文章は、太宰さんが芥川賞が欲しくて欲しくて恨み辛みを綴った手紙、ということになっているけれども、私はあまりそうは思わなかったです。どちらかっていうと、一番辛い時に、自分の、それも、作品ではなく私生活を批判され、更には、友人の言葉(川端氏ならこの作品がわかるに違いない)をすっかり鵜呑みにした太宰さんが、嘘だろ?大人の事情でそんな風に言うしかなかったんだよな?ホントは選びたかったんだよな?という心の叫びが聞こえてきました。まあ、賞が欲しかったのにはかわりないでしょうが。意外にクレイジーではなくて、ホッとした様な、寂しいような。
それに比べ、次に登場したアイツは度肝をぬくクレイジーさ加減でした、「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」でお馴染みの、中原さんです。毒舌甚だしいです。手あたり次第毒を吐きます。まるで自分を見ている様。
あの、太宰さんをも黙らせる、強者。天敵っていうか、もう、相手にしたくないくらいの存在感を、初対面の時に印象付けさせる凄さ、もうちょっと遅い時代に生まれていたら、パンクロッカーとして世の中の無難を切り裂き、ゆあんゆよーんと客席にダイブしていたことでしょう。多分。
そんな中原さんですが、NHKの面接を受けています。勿論、履歴書も書きました。でもそこはやはり、クレイジー。「詩生活」と一筆のみ書き、呆れ顔の面接官に「詩以外に一体私には何があるのか!ゆあんゆよーん」と言い放ったそうです。あ、後半は勝手に付け加えました。
ところで、先程から小出しにしている、『サーカス』の不思議な一文、どういう意味なんですかね?私は勝手にサーカスのブランコの揺れる様、そして、ブランコからブランコに飛び移る様、それを見ている何とも言い難い心の空虚感を表現していると思っています。だってピッタリじゃないですか。次回サーカスを見る機会があったら(なかなか無い)心の中で呟いてみてください。
散々この本の紹介してますけど、まだ読み終わっていません。まだ、読んでる途中でしょうが!ゆあんゆよん。(しつこい)
今は丁度、無頼派(太宰治・坂口安吾・織田作之助)VS志賀直哉の悪口の攻防、じゃないな、攻攻を、目を爛々とさせながら読んでいます。
長くなってしまいした。二冊目は次回ということで。
読んでいただき、ありがとうございました。ゆあんゆよん。
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